NIKKEをPCで遊んでいる人がいま一番知りたいのは、自分のPCが無事かどうかでしょう。2026年11月4日時点で、この問いに答える公式案内はまだありません。
公式Xが告知したのは、PCランチャーのスクリプトファイルに「第三者によって改ざんされた可能性がある異常」を確認したこと、11月4日2時30分ごろにクライアントの修正とアップデートを実施したこと、影響範囲を確認中で今後の対応は別途案内することまでです。告知にマルウェアという言葉はありません。
マルウェア、遠隔操作、情報窃取は、GitHubアカウントMotherSphereが公開した報告書と、それを引用した報道の主張です。報告書自身も、感染PC1台とコメント欄に寄せられた他の利用者の報告をもとに書かれ、問題のプログラムは実行せず解析したと説明しています。
サプライチェーン攻撃という呼び方も一部メディアのもので、公式の言葉ではありません。そこでこの記事では、誰が何を言ったのかを文ごとに分けて書きます。時刻は日本時間(韓国時間と同じUTC+9)にそろえ、報告書の表記であるGMTを併記します。状況が動いているため、新しい公式告知が出たら日付を添えて更新します。
誰が何を言ったか:公式告知と報告書・報道(11月4日時点)
| 論点 | 公式告知(NIKKE運営) | 報告書・報道の主張(公式確認ではない) |
|---|---|---|
| 何が起きたのか | PCランチャーのスクリプトファイルが第三者に改ざんされた可能性がある異常を確認 | 報告書:Level InfiniteのCDN上のJavaScriptファイル4点が改ざんされたと主張。一部メディアはサプライチェーン攻撃の可能性と表現 |
| マルウェアなのか | マルウェアという言葉は使っていない | 報告書:改ざんファイルが外部から遠隔操作プログラムを取得して実行できると主張。コマンド実行、ファイル閲覧、画面キャプチャ、ブラウザ情報や暗号資産ウォレットのファイル収集機能を記載 |
| いつからか | 開始時期への言及なし | 報告書:9月27日にファイル改ざん、最も早い実行報告は10月24日1時40分。ユーザーのコメントが出典で、それ以前が安全という意味ではない |
| 修正されたのか | 11月4日2時30分ごろにクライアントの修正とアップデートを実施 | 報告書:その直前にファイル3点が差し替えられ、4点目は7時26分の時点でも一部のCDNサーバーに改ざん版が残っていたと記載。すでに感染したPCの状態は元に戻らないとも記載 |
| 被害規模・情報流出 | 影響範囲を確認中 | 報道:感染者数も実際の流出の有無も確認されていない。韓国紙デジタルタイムスによると、韓国インターネット振興院(KISA)は韓国の市場や利用者に影響する場合は侵害事故の届出や調査の対象になるとの立場。実際の届出や調査開始は未確認 |
| 侵入経路・攻撃者 | 言及なし | 報告書:攻撃者がどうやって書き換え権限を得たかは不明と記載。攻撃者の正体も未確認 |
| 利用者がすること | 起動停止、削除、感染確認の指示なし。今後の対応は別途案内 | 報告書:公式確認までランチャーを開かず、開く前にキャッシュを削除。一部メディアはパスワード変更とウイルス検査を推奨 |
| モバイル・他の環境 | 判断なし | 報告書:LinuxやSteam DeckのProton実行も危険の対象に含め、モバイルの判断はなし。一部の韓国メディアはモバイルへの影響は未確認と報道 |
自分のPCはどうする? 発言者ごとに3段階で整理
答えは誰の発言かによって3段階に分かれます。1段階目は公式の案内です。影響範囲を確認中で今後の対応は別途案内するという内容がすべてで、起動の停止、アンインストール、感染確認についての指示はありません。
2段階目は報告書が全員に勧めていることです。公式が修正完了を確認するまでランチャーを開かず、開く前にキャッシュフォルダを消すという内容で、報告書が示すパスは%APPDATA%\nikke_launcher\tbs_cacheです。
報告書は攻撃者のサーバーのアドレスをhostsファイルやルーター、ファイアウォールで遮断する項目も挙げていますが、この記事にアドレスは載せていません。これらの勧告は公式告知の前に書かれたもので、公式の修正とアップデートがその条件に当たるのかは、公式も報告書も明言していません。3段階目は報告書が感染した場合として挙げた対応です。
ランチャーを閉じるかネット接続を切り(タスクマネージャーの開き方を知っていれば本当に終了したか確認できます)、Windowsに残った項目を消したうえで(下の最初の質問を参照)、安全な別の端末からNIKKE、メール、Discord、金融、ブラウザ保存分の順にパスワードを変え、二段階認証を有効にし、全セッションからログアウトし、開発者向けのトークンと鍵を失効させ、暗号資産は新しいウォレットに移すという内容です。
報告書はWindowsの再インストールが最も安全だと判断しています。再インストールを考えるなら、先にWindowsのバージョンとPCスペックの確認方法を見て今の環境を控えておくと安心です。この3段階目は報告書作成者の判断で、公式の手順ではありません。
公式も報告書も「削除すれば終わり」「10月23日より前の起動は安全」「アップデート後は安全」「モバイルは安全」とは言っていません。
時系列:日本時間で統一、かっこ内はGMT
- 19月27日15時41分(06:41 GMT):ファイル4点の改ざんを主張報告書の主張です。ランチャーがCDNから読み込むJavaScriptファイル4点がこのとき書き換えられ、以後に起動した人のキャッシュに改ざんファイルが残っている可能性があるとしています。公式告知に開始時期の記載はありません。
- 210月24日1時40分(10月23日16:40 GMT):最も早い実行報告報告書がユーザーのコメントを出典に記した時刻です。記事によって10月23日と24日に分かれる理由は二つあります。報告書が当初10月24日と書き、のちにこの時刻へ訂正したこと、そしてこの時刻がGMTでは23日、日本時間では24日にあたることです。最も早い報告というだけで、安全な期間の境目ではありません。報告書はプログラムが一部の起動でのみ動いたとも書いていますが、それで自分のPCの状態は判断できません。
- 310月29日0時46分(10月28日15:46 GMT):オリジンサーバーのファイル1点が復旧との主張報告書の主張です。4点のうち1点がオリジンサーバーで正常なファイルに戻った一方、一部のCDNサーバーは改ざん版を配信し続けたとしています。
- 411月4日2時4分〜2時30分ごろ:ファイル差し替えと公式の修正報告書は2時4分〜21分(11月3日17:04〜17:21 GMT)にファイル3点が差し替えられたとしています。公式告知は2時30分ごろにクライアントの修正とアップデートを実施したと説明しています。両者の時刻は近いものの、同じ措置かどうかを公式は確認していません。
- 511月4日7時26分(11月3日22:26 GMT):一部CDNに残存との主張報告書の主張です。2か所のCDNサーバーが改ざんファイルをまだ配信していたとしています。公式の修正時刻から5時間近く後のことです。
- 611月4日11時(02:00 GMT)〜12時14分(03:14 GMT):報告書の最終更新と公式告知報告書本文の最終更新は11時で、この時点では公式の発表はないと書かれています。12時14分に日本の公式Xが告知しました。韓国とグローバルの公式Xは12時13分です。そのため報告書の勧告は告知の内容を反映していません。11月4日夜の時点で、告知にも報告書本文にも、ランチャーを開いてよいとは書かれていません。
利用者が指摘している論点と公式の立場
- 告知のタイミング: 2時30分の修正から12時台の告知まで10時間近くあいた点を指摘する声があります。告知にその間の経緯はなく、公式の立場は影響範囲を確認中で今後の対応を別途案内するというものです。
- 表現: 「異常」という言い方は事態に対して軽いという批判があります。公式は改ざんの「可能性」と表現しており、影響範囲の確認が終わっていないという立場です。
- 今後の対応: 11月4日午後の時点でも明確な対応策が示されていないという批判が、利用者や報道から出ています。公式の立場は今後の対応を別途案内するというもので、どの会社がどこまで責任を負うかは告知に書かれていません。この記事は責任を判断しません。
- アカウント・ウォレット被害の不安: アカウントや暗号資産ウォレットへの二次被害を心配する声があります。公式は被害規模も情報流出の有無も明らかにしておらず、影響範囲を確認中という立場です。
この記事を更新する基準
この記事は更新型です。NIKKE公式チャンネルの続報、公的機関の案内、信頼できる報道が出たときにだけ、日付を添えて直します。報告書の勧告が変わった場合は、報告書の内容だと明記して反映します。
コミュニティの投稿は事実の根拠にしません。被害規模、情報流出の有無、侵入経路、攻撃者の正体は、公式発表か信頼できる報道で確認されるまで未確認のままにします。キャッシュのパスを除いて報告書の感染の目印やファイル名を載せていないのも同じ理由です。目印の一部は何度も訂正されており、誤った目印は誤った安心につながりかねません。


