ゲームを録画したりクリップを作ろうとソフトを起動すると、ゲームより見慣れない用語からまず出会います。FPSをいくつに設定すべきか、ビットレートが高いと何が良いのか、NVENCが何の話なのか、友達が言っていたPOTGとクラッチはまた何なのか。意味を適当に流すと画質が潰れたりゲームがカクついたりして、肝心のかっこいい場面はクリップに残りません。
そこで、ゲーム録画とクリップをしながらよく出る用語を一か所に集めて整理しました。画質・性能用語、録画・クリップ機能用語、名場面・ゲーム用語の三つのグループに分け、各用語には意味を一、二文と一緒に「録画・クリップでなぜ重要か」を付けました。最初から読んでもいいですし、必要な用語だけを探して読んでも構いません。
画質・性能用語、映像が崩れたりゲームがラグる理由
このグループは、録画した映像がなぜぼやけるのか、録画をオンにするだけでなぜゲームがカクつくのかを決める用語です。ほとんどは録画ソフトの設定画面でそのまま出会います。
FPS (フレーム)
FPSは1秒あたり画面が何枚描かれるかを表す値で、数字が高いほど動きが滑らかです。録画では二種類を区別する必要があり、ゲームが実際に動くフレームと映像として保存される録画フレームが異なることがあります。ふつう60fpsで保存すれば滑らかで、スローモーションに使う場面なら120fps以上で撮ることもあります。録画をオンにしたときにゲームのFPSがガクッと落ちるなら、エンコード方式(下のハードウェアエンコード)をまず疑うべきです。
解像度
解像度は画面を構成するピクセルの縦横の個数で、1080p(1920×1080)、1440p、4K(2160p)のように呼びます。数字が大きいほど鮮明ですが、その分保存容量とエンコードの負担も大きくなります。クリップをYouTubeやSNSに上げるつもりなら大体1080pで十分で、無理して4Kで録画してゲームがラグるよりは、1080p 60fpsを安定して出すほうが結果が良いです。
ビットレート
ビットレートは1秒の映像に盛り込むデータ量で、Mbps単位で表示します。同じ解像度でもビットレートが低いと速く動く場面で画面が四角く潰れ(ブロックノイズ)、上げるときれいになる代わりにファイルが大きくなります。撃ち合いのように画面全体が激しく揺れるヴァロラントの交戦はビットレートが低いと特に目立つので、画質がやたら潰れるなら解像度よりビットレートを先に上げてみるのが効果的です。
コーデック
コーデックは映像を圧縮して再び展開する方式を定めたルールで、同じ画質をどれだけ小さい容量に収めるかを左右します。ゲーム録画で最も一般的なのはH.264(AVC)で、互換性が広くほぼすべての編集ソフトやプラットフォームですぐに開けます。コーデックを間違って選ぶと、映像はきちんと録画されたのに編集ソフトやスマホで開けないことが起きるので、特別な理由がなければH.264が無難な既定値です。
HEVC (H.265)
HEVCはH.264の次世代コーデックで、同じ画質を大体半分の容量に収められるのが利点です。4Kのような高解像度を長く録画したり保存容量が厳しいときに有利です。ただし古い機器や一部の編集ソフトでは再生・編集ができないことがあり、容量を節約しようとして互換性の問題に遭うこともあります。容量が急ぎでなければH.264、高画質の長時間録画ならHEVCを検討する、という形で分ければ大丈夫です。
ハードウェアエンコード (NVENC / AMF)
ハードウェアエンコードは、映像圧縮の作業をグラフィックカードに内蔵された専用チップに任せる方式です。NVIDIAのグラフィックカードはNVENC、AMDはAMF/VCEと呼びます。逆にCPUで圧縮するソフトウェアエンコード(x264)は、ゲームに使うCPUリソースをそのまま奪ってフレームを落とします。「録画をオンにするだけでラグる」という問題のほとんどは、エンコーダーをハードウェア(NVENC/AMF)に変えるだけで大きく改善します。性能に最も直接的な用語なので、この記事で最も重要です。

録画・クリップ機能用語、映像をどう残して切り出すか
このグループは、長い録画データと短いクリップをどう作って何と呼ぶかに関する用語です。良い場面を逃さないためには、特にリプレイバッファの概念を知っておくと良いです。
リプレイバッファ
リプレイバッファは、画面を録画し続けるが保存はせず、直近の数秒から数分だけをメモリに一時的に溜めておく機能です。良い場面が出た直後に保存のショートカットを押すと、たった今過ぎ去ったその区間がファイルとして残ります。「かっこいい場面はいつも録画をオンにしていないときに出る」という問題を解く核心的な概念で、これのおかげでゲーム中ずっとフル録画を回さなくても名場面だけを後から拾えます。
クリップ
クリップは長い元映像から切り出した短い断片を意味します。ふつう数秒から1分前後で、一つの場面(キル一回、ラウンド一つ)を収めます。SNSやコミュニティに上げるゲーム映像はほとんどこのクリップ単位で、フル映像を丸ごと上げることはまれです。だから録画とクリップは目的が違い、録画が元を残す作業なら、クリップはそのうち見る価値のある部分だけをより分ける作業です。
ハイライト
ハイライトは、1試合または複数の試合で特にうまくやった瞬間だけを集めたものを言います。クリップが場面一つなら、ハイライトはそうしたクリップを集めて今日の名場面の詰め合わせのように作った概念に近いです。オーバーウォッチのように試合ごとに良い場面がいくつも出るゲームでは、ハイライトだけをつなぎ合わせても一本の短い映像になります。
マッドムービー
マッドムービーは、複数のクリップを音楽と編集効果でつなぎ合わせて作ったゲーム映像のジャンルを指すコミュニティ用語です。キル場面やスーパープレイをリズムに合わせて配置し鑑賞用に作ったもので、個人の実力自慢やファン映像の形が多いです。マッドムービーを作るには良いクリップがいくつも溜まっている必要があるので、普段から名場面をクリップとして地道に残しておく習慣が材料になります。
名場面・ゲーム用語、クリップのタイトルによく付く言葉たち
このグループは、ゲーム内で起こるクリップ映え、つまり切り出す価値のある瞬間を呼ぶ用語です。クリップのタイトルやコミュニティの投稿でよく見かける言葉なので、意味を知るだけでも映像検索やコミュニケーションがスムーズになります。
POTG (Play of the Game)
POTGは、1試合で最も印象的だったプレイをゲームが自動で選び、試合終了後に再生してくれる場面を言います。オーバーウォッチで広く知られた概念で、複数キルや決定的な一撃が主に選ばれます。ゲームがすでに最高の瞬間を選んで見せてくれるわけなので、このPOTGの区間をそのままクリップに残せば失敗のない名場面になります。
キルカメラ
キルカメラは、自分が死んだ直後、自分を倒した相手の視点でその瞬間を見せ直してくれる画面です。FPSゲームでよく見られ、どうやられたのかを相手の視点で確認できます。クリップの文脈では、相手のヘッドショットや貫通ショットがキルカメラで見えるときに良い素材になり、逆に自分のプレイが相手のキルカメラにかっこよく映れば、それ自体が自慢のクリップになります。
クラッチ
クラッチは、チームが不利な状況、特に一人残った劣勢からラウンドを覆して勝つプレイを意味します。ヴァロラントやカウンターストライクで1対3クラッチのように残りの人数を付けて呼びます。緊張感が大きく結果がドラマチックなのでクリップとして最も人気のあるタイプの一つで、ラウンド勝利で終わる瞬間までがちょうど一つのクリップに収まります。
エース
エースは、1ラウンドで相手チーム全員を一人で倒すことを言います。ヴァロラントやカウンターストライクでエースラウンドと呼び、5人チームなら一人で5キルを挙げたことになります。出づらくその分インパクトが大きい代表的なクリップ映えなので、エースが出たラウンドは逃さずクリップに残す価値があります。
ペンタキル
ペンタキルは、リーグ・オブ・レジェンドで短い時間の中に相手五人を連続で倒すことで、マルチキルの最高段階です。ダブルキル、トリプルキル、クアドラキルを経て五番目のキルが出るとペンタキルになります。1試合に一度出るか出ないかの場面なのでファンが最も大切にするクリップ素材で、出た瞬間に反射的に保存ボタンを探す代表的な「逃すと惜しい」瞬間です。
- 画質が潰れる: 解像度よりビットレートを先に上げてみる。
- 録画をオンにするとラグる: エンコーダーをハードウェア(NVENC/AMF)に変える。
- 良い場面をやたら逃す: リプレイバッファをオンにしておいて事後に保存する。
- 映像がどこかで開けない: コーデックをH.264に、容量が急ぎならHEVCに。

ここまでがゲーム録画とクリップでよく出会う用語です。実際にはこれらの用語が別々に働くのではなく一つにつながります。ハードウェアエンコードでフレームを守りながら録画し、リプレイバッファでPOTGやペンタキルのような瞬間を逃さずクリップに残したあと、そのクリップを集めてハイライトやマッドムービーにする流れです。DORはこの工程で手のかかる部分、つまりハードウェアエンコードの設定とリプレイバッファ、キル・エース・ペンタキルのような瞬間の自動クリップを標準で処理します。用語の意味さえ知っておけば、設定はDORに任せてゲームに集中しても良いクリップがひとりでに溜まります。


