動画の一部だけをぼかすには、クリップにぼかし(またはモザイク)のエフェクトを適用し、そのエフェクトが見える範囲をマスクで限定します。公式ドキュメントで手順を確認できたのは Premiere Pro と CapCut のデスクトップ版で、名前やチャット欄のように画面内で動く対象は、マスクのトラッキングまで行わないと最後まで隠れません。この記事は Windows 11 の PC で、ゲームクリップの名前やチャットを隠す場面を想定しています。編集ソフトを初めて開く方は、先に ゲーム動画編集の入門 を見ておくと、タイムラインやトラックの用語に戸惑いにくくなります。
結論:エフェクトにマスク、動くなら追跡
ぼかしのエフェクトをそのままかけると動画全体に効いてしまうため、隠したい部分だけに絞るマスクが要になります。すでに使っている編集ソフトがあるなら、まずマスク機能があるかを確認してください。どのソフトにするか決めていない場合は ゲーム動画向けの無料編集ソフト の比較を先にご覧ください。メニュー名はバージョンによって変わることがあり、この記事は2026年10月6日確認時点の公式ドキュメントに基づいています。Adobe のマスク作成ページの最終更新は2026年1月7日、マスクのプロパティと追跡のページは2026年3月9日で、CapCut のガイドの表示日は2026年8月27日と31日です。
Premiere Pro と CapCut で動画の一部をぼかす手順
- 1Premiere Pro でクリップにエフェクトを適用 — クリップをタイムラインに置いてプログラムモニターに表示した状態で、タイムラインパネルのクリップを選択します。ウィンドウ/エフェクトでエフェクトパネルを開き、使うエフェクトを選んでクリップへドラッグします。Adobe の例はビデオエフェクト/スタイライズ/モザイクで、やわらかくぼかしたい場合は Blur and Sharpen の一覧にある Gaussian Blur を使います。
- 2エフェクトコントロールでマスクを描く — エフェクトコントロールパネルを開き、エフェクト名の横にあるドロップダウン矢印でコントロールを展開します。長方形ツール・楕円形ツール・多角形ツールで図形のマスクを作るか、ペンツールで自由に描きます。ペンツールはクリックごとに頂点が増え、Alt キーを押しながら頂点をクリックすると Bezier ポイントになります。マスクはプログラムモニターに表示され、効果はその内側に限定されます。横一列の名前表示のような対象は、長方形ツールで十分です。
- 3境界と強さを整える — マスク名の下にあるプロパティを使います。Feather はマスクの端をやわらかくし、点線のガイドの外側のハンドルをドラッグすると大きくなります。Expansion は正の値でマスク範囲が外側へ、負の値で内側へ変わります。Opacity はドキュメントの表記どおりマスク効果の不透明度です。Invert はマスクの内側と外側を反転するオプションなので、ぼける側が意図と逆に見えるときはこの設定を先に確認します。Gaussian Blur の強さは、エフェクトコントロールの Blurriness の値を上げて調整します。
- 4動く対象はマスクをトラッキング — 対象が画面内で動く場合は、エフェクトコントロールパネルでマスクを選択してプロパティを展開し、追跡のボタンから「選択したマスクを順方向と逆方向に追跡(Track selected mask forward and backward)」を押します。追跡が終わったらプログラムモニターで最初から再生し、マスクが対象から外れた区間がないかを確認します。外れていればマスクやキーフレームを調整します。
- 5CapCut でクリップを複製して下のトラックに Blur — 動画をタイムラインに入れ、右クリックして Copy し、貼り付けて 2 本目のトラックを作ります。Effect タブの Video effects で Blur を検索し、下側(元)のトラックへドラッグします。右パネルのスライダーで強さを調整し、エフェクトバーの端をドラッグして適用する区間を決めます。
- 6上のトラックに Mask を作って Reverse — 上側のトラックを選択し、右パネルの Video タブにある Mask で Rectangle や Circle などの形を選びます。再生ヘッドはクリップの先頭に置いてください。Player ウィンドウでマスクの端をドラッグし、ぼかしたい部分に合わせたら、マスクパネル右上の Reverse ボタンを押します。
- 7CapCut で動きを確認して Export — 動く対象については、CapCut の顔ぼかしガイドに、Mask を選んで Track mask の Track を押すとマスクが自動で動くとの案内があります。ただしそのガイド全体の流れは上の手順と異なるため、この機能を使うときは原文もあわせて確認してください。再生して確認したら、右上の Export で書き出します。
ツール別・動画の一部をぼかす方法(公式ドキュメントで確認できた項目のみ)
| ツール | 公式ドキュメントで確認した方法 | 知っておきたい点 |
|---|---|---|
| Premiere Pro(マスク) | クリップをタイムラインに置き、ウィンドウ/エフェクトでエフェクトパネルを開き、使うエフェクトをクリップへドラッグします。Adobe の例はビデオエフェクト/スタイライズ/モザイクで、ぼかしは Blur and Sharpen のエフェクト一覧にある Gaussian Blur です。エフェクトコントロールパネルで長方形ツール・楕円形ツール・多角形ツールまたはペンツールを使ってマスクを描くと、効果はマスク内に限定されます。 | マスク名の下に Feather(境界をぼかす)、Expansion(マスク範囲の増減)、Opacity、Invert(内外の反転)のプロパティがあります。 |
| Premiere Pro(マスクの追跡) | エフェクトコントロールパネルでマスクを選択してプロパティを展開し、追跡のボタンから「選択したマスクを順方向と逆方向に追跡(Track selected mask forward and backward)」を開始します。順方向のみ、逆方向のみ、1 フレームずつの追跡のオプションもあります。 | Adobe は顔をぼかす用途を挙げ、輪郭がはっきりしてコントラストが高い被写体を含めると結果が最良になると案内しています。結果はプログラムモニターで確認します。 |
| CapCut デスクトップ版(複製 + Mask) | 動画をタイムラインに入れ、コピーして貼り付けトラックを 2 本にします。Effect タブの Video effects で Blur を検索し、下側(元)のトラックにドラッグします。上側のトラックは Video タブの Mask で Rectangle や Circle を選び、ぼかしたい部分に合わせてから Reverse を押します。 | Blur の強さは右パネルのスライダーで調整し、エフェクトバーの端をドラッグして適用区間を決めます。CapCut 自身のガイド(2026年8月31日表示)に基づく内容です。 |
| CapCut デスクトップ版(動く対象) | 別のガイド(2026年8月27日表示)では、Mask を選んで Track mask の Track を押すと CapCut がマスクを自動で動かすと案内しています。顔向けには Effects > Body effects の Face Mosaic と Phantom Face も紹介されています。 | このガイドは全体を先にぼかして書き出し、読み込み直す流れなので、上の複製手順とは異なります。2 つの方法は混ぜず、どちらか一方に従ってください。 |
| Clipchamp | ぼかしの手順は公式ドキュメントで確認できませんでした。動画に入っている要素は直接削除できず、ドキュメントが案内する隠し方は、その上にステッカー、色付きの背景、単色の背景を持つテキストを重ねることです。 | フレームの端にある要素は、ビデオをトリミングすると取り除けると案内されています。フローティングツールバーの crop ボタンでハンドルをドラッグし、done を押します。 |
書き出す前の確認項目
- 隠したい対象が画面内で止まっているか動いているかを最初に見ます。動く場合は Premiere Pro のマスクの追跡か CapCut の Track mask が必要で、Adobe は輪郭がはっきりしてコントラストが高い被写体で追跡結果が最良になると案内しています。
- 追跡を実行したあとは、プログラムモニターで最初から最後まで再生し、マスクが名前やチャットの文字を外したフレームがないかを確認します。必要ならマスクやキーフレームを調整します。
- マスクが文字の一部しか覆っていないことがないか見ます。Expansion を正の値にするとマスク範囲が外側へ広がるので、Feather で境界をやわらかくしたあとも文字がすべて覆われているかをあわせて確認します。
- Premiere Pro でぼける側が意図と逆になったら、マスクの内外を反転する Invert の設定をまず確認し、CapCut では Reverse の設定を確認します。
- CapCut の顔ぼかしガイドの FAQ には、ぼかして保存し、元の動画を残さないと復元は基本的にできないという趣旨の記載があります。元のファイルは必ず別に保管し、ぼかしたものはコピーで作ってください。
- 書き出したファイルを最初から最後まで自分で再生し、隠すつもりだった情報が 1 フレームも見えていないことを確認します。ぼかしで情報の露出を完全に防げるとは保証できないため、最終確認は目で行います。
ぼかしの前段:元データを自動で貯める録画
この記事のぼかし手順は Premiere Pro と CapCut が対象で、DOR が扱うのはその前段の録画と、スタジオでできる範囲です。DOR は対応ゲームを検知してフルマッチを mp4 で自動録画し、VALORANT・リーグ・オブ・レジェンド・PUBG・FC Online・フォートナイト・Counter-Strike・オーバーウォッチの 7 タイトルでは、キルなどのハイライトクリップも自動で作成します。録画ファイルはアプリのライブラリに貯まるため、ぼかし作業はファイルのコピーから始めて元データはそのまま残せます。編集ソフトのタイムラインで隠したい場面の前後だけを残して作業すれば、マスクをかける長さも短くなります。長さ調整・テキスト・BGM といった仕上げは、インストール不要の DOR ブラウザクリップエディター で行えます。NVIDIA のグラフィックスカードでは NVENC ハードウェアエンコードが標準で、ゲーム音とマイク音声も同時に録音されるので、画面上の名前を隠したあとは、声で名前が聞こえていないかも別に確認してください。
公式情報と確認基準
2026年10月6日確認時点の内容です。Premiere Pro の手順は Adobe ヘルプの「マスクの作成」ページ と同ヘルプのマスクのプロパティ・マスクの追跡のページ、Gaussian Blur と Blurriness の値は同ヘルプの Blur and Sharpen エフェクトのページとフォーカスプルのチュートリアル、CapCut の手順は CapCut の動画ぼかしガイド と同サイトの顔ぼかしガイド、Clipchamp の隠し方は Microsoft の要素削除に関するページ に従いました。Premiere Pro のメニュー名は Adobe 日本語ページの表記で、CapCut と Clipchamp のメニューは英語表記のままにしています。バージョンによってメニュー名が異なることがあるため、お使いのバージョンのヘルプもあわせてご確認ください。


