Windows 11で使えるClipchampでは、クリップを選び、プロパティ パネルの「速度」タブでスライダーを0.1xから16倍の間に合わせると、動画の速度を変えられます。1本のクリップの中で区間ごとに速度を変えたい場合は、Premiere ProのTime RemappingやCapCutのCurveのような可変速度の方法が必要になります。この記事は2026年10月6日に確認した各ツールの公式ドキュメントにある手順だけをまとめています。編集そのものが初めての方は、先にゲーム動画編集の入門ガイドを読むと流れがつかめます。ここでは速度の変更だけを扱います。
結論:均一ならClipchamp、区間ごとなら可変速度
クリップ全体を同じ倍率で速くする、または遅くするだけなら、Clipchampの速度タブかCapCutのStandardで足ります。見せたい瞬間だけスローにして前後は通常速度で流したいなら、Premiere ProのTime RemappingやCapCutのCurveのように、区間ごとに速度を決める方法が向いています。どのツールが優れているとは言い切れないので、普段使っているエディターと必要な調整の細かさで選べば十分です。速度以外の編集まで含めた無料エディター選びは、ゲーム動画向け無料編集ソフトの記事で比較しています。Clipchampの公式ドキュメントによると、速度を上げるほどタイムライン上のクリップは短くなり、下げると長くなります。
ツール別の速度変更の手順(Windows PC)
- 1速度を変える前に必要な区間だけにする — Clipchampのドキュメントは、速度を上げるとタイムライン上のクリップが短くなり、下げると長くなると説明しています。最初から必要な場面だけをエディターに入れておくと、最終的な長さを見積もりやすくなります。元のファイルには手を付けず、エディターの中だけで変更しておけば、後で戻すのも簡単です。Adobeのドキュメントは、速度(speed)を録画された速度に対する再生速度、デュレーション(duration)をInからOutまでの再生時間として区別しています。
- 2Clipchampを開いて動画を取り込む — Windows 11では、タスクバーの検索ボックスにClipchampと入力するか、スタート > すべてのアプリからClipchampを選んで開きます。エディターでは、My media の import media ボタンを押すか、ドロップダウン矢印の browse files を選ぶか、ファイルを取り込みパネルへドラッグ&ドロップします。以前のPhotosアプリにあったVideo Editorは新しいPhotosアプリには含まれず、MicrosoftはClipchampを勧めており、Photosアプリの設定 > Open Clipchampからも開けると案内しています。そのため、Photosアプリの中で速度を変える方法はこの記事では扱いません。
- 3Clipchampの速度タブで倍速とスローを作る — タイムライン上のビデオクリップをクリックし、プロパティ パネルの「速度」タブを押します。スライダーを0.1xから16倍の範囲で動かすか、数値を直接入力します。上げるとクリップは短くなり、下げると長くなって自動的にスローモーションになります。音声が動画に埋め込まれたアセットなら、速度の変更はビデオと内蔵オーディオの両方に適用され、音声が分離されている場合はオーディオクリップを別に選んで同じ方法で調整します。元に戻すには、スライダーを1xに戻すか、元に戻すボタンを使うか、クリップを削除してメディア ライブラリの元のアセットをタイムラインへ再びドラッグします。
- 4Clipchampから書き出す — エディター右上のExportボタンを押すと、480p、720p、1080p、4K UHD、GIF(15秒以下)、音声のみのM4Aなどの選択肢が出ます。完成したファイルは通常Downloadsフォルダーに保存されます。プレミアム機能を使った場合は、書き出しの選択肢の横にダイヤモンドのマークが表示されるとドキュメントは説明しています。解像度ごとの制限の詳細はこの記事では扱わないので、MicrosoftのExporting and saving a video in Clipchampの記事で直接確認してください(2026年10月6日確認)。
- 5Premiere ProのSpeed/Durationで数値を指定する — タイムライン パネルでクリップを1つ以上選び、メニューバーのClip > Speed/Durationを選びます(右クリックメニューにもあります)。Clip speed/durationダイアログのSpeedフィールドにパーセントを入力し、100%が通常速度で、低いと遅く、高いと速くなります。Reverse speedは逆再生、Maintain audio pitchは元の音の高さを保ち、Ripple Edit (shift trailing clips)は後ろのクリップの位置を自動で調整します。リンクのアイコンを切れた状態に切り替えると、速度とデュレーションを互いに独立して変えられます。OKを押したらプログラム モニターで再生して確認します。このAdobeのページの最終更新は2026年1月7日です。
- 6Premiere ProのRate Stretch Toolでクリップの端をドラッグする — ツール パネルでRate Stretch Tool(ショートカットR)を選び、タイムライン上でクリップの端をドラッグします。外側へ引くと遅くなって長さが伸び、内側へ引くと速くなって長さが縮みます。ドラッグ中はツールチップに元の速度に対するパーセントが表示されます。ドキュメントによると、このときオーディオ部分は変わらず、より多くのオプションが必要なときはClip speed/durationダイアログを使うよう案内されています。
- 7Premiere ProのTime Remappingで区間ごとに速度を変える — クリップを右クリックして Show Clip Keyframes > Time Remapping > Speed を選ぶと、クリップの中央に白い帯(rubber band)が現れます。上へ引くと速く、下へ引くと遅くなり、ツールチップにパーセントが出ます。Windowsでは、Ctrlキーを押しながら帯をクリックして速度キーフレームを作り、キーフレームの間をドラッグして区間ごとに調整します。キーフレームを選んでBezierハンドルを使うと速度の切り替えを滑らかにでき、削除は選択してDeleteキーです。速度を極端に変えたクリップは再生により多くの処理能力が必要になることがあるため、プロキシや低解像度のプレビューを使うようAdobeは案内しています。
- 8CapCutデスクトップでStandardかCurveを選ぶ — 動画をPCのCapCutに取り込み、タイムラインに置いてクリップを選び、Speedを選びます。Standardはスライダー1本で全体の速度を均一に変え、Curveは区間ごとに速度が変わる方式で、設定したらExportします。CapCutのドキュメントは1.25x、1.5x、2xといった倍率の例を挙げ、0.1x(super slow motion)から100x(extreme fast forward)に対応すると記載していますが、あくまでドキュメント上の記述なので、現在の範囲はアプリで確認してください。CurveタブにはMontage、Hero、Bullet、Jump Cut、Flash in、Flash out、Customのプリセットがあります。スローモーションはSpeedタブで1x未満に下げ、Smooth slo-moで補正でき、一部の区間だけ遅くしたい場合は、シーンを分割(split)してその区間にだけ適用します。
方法別の比較(2026年10月6日確認の公式ドキュメント)
| 方法 | 向いている場面 | 公式ドキュメントで確認できる操作 |
|---|---|---|
| Clipchampの速度タブ | クリップ全体を一定の倍率で速く、または遅くする | タイムラインでクリップを選択 > プロパティ パネルの「速度」タブ > スライダーで0.1xから16倍、または数値を直接入力 |
| Premiere ProのSpeed/Duration | パーセントを入力してクリップ全体を正確に変更する | Clip > Speed/Duration > Speedフィールドにパーセントを入力(100%が通常速度)、Reverse speed・Maintain audio pitchのオプション |
| Premiere ProのRate Stretch Tool | クリップの端をドラッグして速度と長さを一緒に変える | ツール パネルで選択(ショートカットR)してドラッグ:外側へ引くと遅く、内側へ引くと速くなる |
| Premiere ProのTime Remapping | 1本のクリップの中で区間ごとに速度を変える | クリップを右クリック > Show Clip Keyframes > Time Remapping > Speed、Ctrlクリックでキーフレームを作り、間をドラッグして調整 |
| CapCutのStandard | スライダー1本でクリップ全体を均一に変更する | クリップを選択 > Speed > Standard > スライダー調整 > Export(ドキュメントは0.1xから100xに対応と記載) |
| CapCutのCurve | 区間ごとに速度が変わる可変速度のランプ | Speed > Curveタブ > Montage、Hero、Bullet、Jump Cut、Flash in、Flash out、Customのプリセット |
書き出す前に確認したいよくある失敗
- 音まで再生して確認します。Clipchampでは内蔵オーディオが動画と一緒に変わり、分離された音声は別に調整が必要です。CapCutは速度の変更が音声にも影響するため、音が歪んだら音声を分離して差し替える必要があるかもしれないと案内しています。
- Clipchampのドキュメントには、速度を変えたときの音の高さがどうなるかの説明がないため、実際に聞いて判断します。Premiere ProにはMaintain audio pitchのオプションが別にあります。
- Premiere Proでスローが途切れて見えるときは、Time Interpolationを変えてみます。Frame Sampling (fastest)はフレームを繰り返す・間引くいちばん単純な方式、Frame Blendingは隣のフレームを混ぜる方式、Optical Flowは動きを解析して新しいフレームを作る方式で、スローモーション用の最高品質とされています。Optical Flowはタイムラインか書き出し設定のダイアログでのみ適用でき、プロジェクト パネルでは使えません。
- Ripple Edit (shift trailing clips)をオンにするかを決めます。速度を変えるとクリップの長さが変わるため、後ろのクリップを自動で調整するかどうかでタイムラインの形が変わります。
- 速度を極端に変えたクリップの再生が重いときは、Adobeの案内どおりプロキシや低解像度のプレビューを使います。
- フレームレートの低い映像を遅くしすぎると途切れて見えることがあるので、CapCutのドキュメントにあるように少しずつ下げます。気に入らなかったときのために、1xに戻す、元に戻す、元のアセットを再びドラッグする、のいずれかを覚えておきます。
速度を変える前の段階:DORの録画とスタジオ
速度を変える素材は、結局のところ元の録画です。DORはWindowsデスクトップ向けのゲーム録画アプリで、対応ゲームを自動で検出してフルマッチをmp4で保存し、VALORANTとリーグ・オブ・レジェンドを含む7ゲームでは、キルなどのハイライトクリップも自動で作ります。NVIDIAグラフィックスカードで録画するときはNVENCのハードウェアエンコードが使われ、ゲーム音とマイクが一緒に入るので、速度を変える前にどの音が影響を受けるかを聞いて確かめておくと安心です。アプリのライブラリにある区間カットでは、開始と終了を指定し、16:9・9:16・1:1の出力比率を選べるため、必要な場面だけに絞れます。切り方はゲームクリップのトリミング方法にまとめました。ブラウザで使うDORスタジオは、インストール不要で長さの調整、複数動画の結合、テキスト、BGM、音量を扱え、mp4のダウンロードやリンク共有もできます。この記事の速度の手順はClipchamp、Premiere Pro、CapCutのドキュメントに基づくもので、DORの説明はその前段の録画と整理に限っています。
公式ドキュメント(2026年10月6日確認)
この記事の手順とメニュー名は、2026年10月6日に開いた公式ページに沿っています。Clipchampの速度変更ガイドは速度タブと0.1xから16倍の範囲を、AdobeのSpeed/Durationの解説はダイアログの項目を、CapCutの速度変更ガイドはStandardとCurveを説明しています。Rate Stretch、Time Remapping、Time Interpolation、Clipchampの書き出し、Photosアプリの変更点のページも同じ日に確認しており、アプリの更新でメニュー名が変わる場合があります。CapCutの速度の範囲は上記のresourceページの記述に基づき、Curveのプリセット名とスローモーションの案内はCapCut公式サイトのSpeed Curveツールのページとスローモーションのガイドに基づくため、アプリで直接確認することをおすすめします。


