Windows PCのOBSで1440pを録画するときに押さえる設定は3つです。出力モードを「詳細」にし、キャンバスと出力の解像度を2560x1440にそろえ、ハードウェアエンコーダのレート制御を定数QP (CQP) の16〜23の範囲にします(値が小さいほど高画質でファイルも大きくなります)。OBS公式ドキュメントに1440p専用のローカル録画ビットレートの推奨値はないため、kbpsを固定するより画質の値で決めるのが基本です。RTXをお使いならRTX向けNVENC設定ガイドでエンコーダ項目をさらに詳しく確認でき、この記事では1440pの解像度と画質の基準値に絞ります。
結論を一言で
1440pだから別に決まった録画ビットレートがある、というわけではありません。OBSのAdvanced Recording Settings Guideは解像度を分けずにエンコーダごとの画質基準値を16〜23の範囲で示しているので、この範囲から始めてテスト録画で調整するのが公式ドキュメントにいちばん近いやり方です。2026年9月30日確認時点で、OBS Studioの最新安定版は32.2.2(2026年8月14日リリース)で、33.0はベータ段階です。メニュー名は32.x基準のため、バージョンによって少し異なる場合があります。録画中にエンコードの過負荷の警告が出たときは、まずエンコード過負荷の対処法を確認してください。
OBS 32.xで1440p録画を設定する手順
- 1映像タブで解像度をそろえる — 設定 > 映像で、基本 (キャンバス) 解像度と出力 (スケーリング) 解像度をどちらも2560x1440にします。2つが同じならスケーリングが発生せず、画質面で有利です。FPSはゲームが実際に出せる値に合わせ、60が重いときは30に下げます。縮小フィルタが働くのは、出力をキャンバスより小さくしたときだけです。
- 2出力モードを詳細に切り替える — 設定 > 出力で、出力モードを「基本」から「詳細」に変えます。基本モードの録画品質では、高品質、ファイルサイズ中や、超高品質、ファイルサイズ大といったプリセットしか選べません。細かい値を自分で決めるには、詳細モードの録画タブが必要です。
- 3録画タブで形式とエンコーダを選ぶ — 録画タブで、種別は標準、録画フォーマットはMKVを選びます。映像エンコーダは、NVIDIA GeForceならNVENC、AMDならAMF、内蔵グラフィックスだけならQSVなどのハードウェア項目を選び、(配信エンコーダを使用) は選びません。配信と別のエンコーダにすることで、録画用の画質値を単独で決められます。
- 4エンコーダ設定に画質の基準値を入れる — NVENCならレート制御を定数QPにして、値は16〜23の範囲から始めます。公式の基準はキーフレーム間隔 2、プリセット P5: Slow (高品質)、チューニング 高品質、マルチパスモード 2パス (1/4解像度)、プロファイル High、Look-ahead オフ、適応量子化 オン、Bフレーム 2です。x264ならCRF 16〜23、キーフレーム間隔 2、CPU使用プリセット veryfast を使います。
- 51〜2分のテスト録画で調整する — ゲームを起動したまま1〜2分録画し、ファイルサイズ、画質、コマ落ちを確認します。ファイルが大きすぎるなら値を23寄りに、画質が物足りないなら16寄りにします。エンコードの過負荷が出たときは、出力解像度、次にFPSを下げる順で案内されています。キャンバス解像度を下げることは、一般には推奨されていません。
- 6固定ビットレートが必要なときだけ方式を変える — ファイルサイズに上限を付けたい場合は、レート制御を可変ビットレートにするか、OBS 31.0から加わった目標品質による可変ビットレートで最大ビットレートを指定します。YouTubeへのアップロードを考えるなら、1440pのSDRは24・25・30fpsで16 Mbps、48・50・60fpsで24 Mbps、HDRはそれぞれ20、30 Mbpsが推奨です。これはアップロード用の推奨値であり、録画用の推奨値ではありません。
1440p録画で確認したい項目の一覧
| 項目(OBSの表記) | 内容 | 使う場面・根拠 |
|---|---|---|
| 基本 (キャンバス) 解像度 / 出力 (スケーリング) 解像度 | どちらも2560x1440(16:9)にそろえます。 | ゲームを1440pで動かすとき。スケーリング処理が少ないほど画質に有利という Aspect Ratio Guide(2021-11-27)の内容に沿います。2560x1440の表記はYouTubeヘルプに基づきます。 |
| 出力モード:詳細 | 録画タブで、配信とは別にエンコーダと画質値を決められます。 | 録画画質を単独で調整したいとき。Standard Recording Output Guide(2023-05-26)に基づきます。 |
| 映像エンコーダ | ハードウェア(NVENC、AMD、QSV)かソフトウェアのx264を選びます。 | ハードウェアエンコーダはCPUの負担をGPUの専用回路に移せるため、一般に推奨されています(Hardware Encoding、2022-01-11)。 |
| レート制御:定数QP (CQP) | ビットレートではなく画質の目標値でエンコードします。 | NVENCは定数QP 16〜23、x264はCRF 16〜23、AMDはCQ Level 16〜23、QSVはICQ Quality 16〜23。値が小さいほど高画質でファイルも大きくなります(Advanced Recording Settings Guide、2023-11-30)。 |
| キーフレーム間隔・プリセット・チューニング | NVENCの基準はキーフレーム間隔2、プリセット P5: Slow (高品質)、チューニング 高品質です。 | 同じ資料のNVENC基準には、マルチパスモード 2パス (1/4解像度)、プロファイル High、Look-ahead オフ、適応量子化 オン、Bフレーム 2も含まれます。 |
| 録画フォーマット | 基本はMKVにして、必要なときにmp4へ変換します。 | MKVは異常終了してもファイル全体が壊れないため推奨されています(Audio/Video Formats Guide、2023-03-26)。Hybrid MP4はOBS 30.2から使えます(OBS Studio 30.2リリースノート)。 |
| ビットレート (CBR/VBR) | kbpsを手動で指定する方式です。 | ファイルサイズの上限が必要なときだけ使います。1440pの公式な録画kbpsはなく、YouTubeのアップロード推奨(SDR 16 Mbps[24・25・30fps]、24 Mbps[48・50・60fps])は参考値にとどめます。 |
録画前の最終チェック
- 基本 (キャンバス) 解像度と出力 (スケーリング) 解像度がどちらも2560x1440であることを確認しました。
- 出力モードが詳細で、録画タブでハードウェアの映像エンコーダを選びました。
- レート制御が定数QPで、値が16〜23の範囲に入っています。
- キーフレーム間隔を2にしました。
- 録画フォーマットはMKVにして、必要なときはファイルメニューの録画の再多重化(File > Remux Recordings)でmp4に変換します。
- 1〜2分のテスト録画で、ファイルサイズとコマ落ちを確認しました。
OBSの設定が負担に感じるとき
60フレームが本当に必要か気になる方は、60fpsでゲームを録画するガイドも参考にしてください。設定そのものを減らしたい場合は、DORも選択肢です。DORは対応するゲームを自動で検出してフルマッチをmp4で録画し、NVIDIAのグラフィックスカードではNVENCのハードウェアエンコードを標準で使います。ゲーム音とマイクの同時録音にも対応しています。ただし、1440pのように解像度や画質値を自分で指定したい場合は、この記事のOBSの方法が向いており、この記事ではDORの解像度オプションは扱いません。設定が重く感じる理由についてはOBSが難しく感じる理由で扱っています。
確認日と公式の出典
確認日は2026年9月30日です。画質の基準値16〜23とエンコーダごとの項目はOBS Advanced Recording Settings Guide(2023年11月30日改訂)、1440pのアップロード推奨ビットレートはYouTubeの推奨アップロードエンコード設定、NVENCのコーデック対応はNVIDIAのビデオエンコード/デコードGPU対応表で確認しました。そのほかOBSのStandard Recording Output Guide、Recording Encoder Presets Guide、Hardware Encoding、Encoding Performance Troubleshooting、Aspect Ratio Guide、Audio/Video Formats Guide、OBS Studio 30.2リリースノートも参照しています。OBSの一部のドキュメントは改訂日が2021年〜2023年と古いため、実際の画面と異なるときは画面の表記を優先してください。


